古き良きものの工芸

物造り文化と文明の利器

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裂織体験 さっこりどんざ


地域文化をどう活性化 -新潟でパネルディスカッション-

第七回全国メセナネットワーク会議がこのほど新潟市を会場に二日間にわたり開かれた。「地域文化をどう活性化するか」というテーマで会議初日に開かれたのがパネルディスカッション。国の施策を中心に地域文化の振興も視野に入れた文化芸術振興基本法が昨年十二月に制定されたのを受けて、地域文化やメセナについて活発な論議が交わされた。

パネリストは同法について基調講演を行った根木昭長岡技術科学大学教授、地域で芸術活動を続けている佐渡畑野町の織物工芸家石塚絹代さん、メディアの立場からメセナにかかわる新潟放送の竹石松次取締役メディア事業局長の三人。

伝統的な織物である「裂き織り」の店を一九八四年から開いている石塚さんは、「伝統を受け継ぎ、もの作りの気質を育てていくことが地域文化には重要だ」と強調。

「法律はあくまで大枠で、中身をつくるのはわれわれ。地域でやりたいことをやることが大事」と、経験に基づいて話した。

これに対し根木教授は廃れゆくものの保護もメセナの役割と指摘、「同法が成立したことにより、メセナ活動の意義も深まる」と語った。

一方、竹石さんは活性化に向け「地方が持っているのもをどう現代文化に生かすかが重要だ」と語り、具体的方策として「昔からあるものを経済とどう結びつけるか」という点を挙げた。また、メセナ活動では、単に資金を出すだけでなく「ノウハウや人集め」も重要と指摘した。

(新潟日報 2002年9月24日より)


私と夕鶴

  • 鶴はあなたの中にもそっと棲んでいる / 安英
  • 夕鶴碑除幕の日に / 木下順二

有名な鶴女房の原作者で知られている木下順二さんと山本安英さんが、夕鶴の碑の除幕式の日に島に見えられた。安英さんはつうを演じてすでに1000回と言う。また、つうの織ったものは裂織であり、佐渡には「深い御縁がある」と記念誌に書いています。私はハタ織を始めて2年目の秋、織り上げた作品を持って除幕式の式典に立ち会う事が出来た。

季節は10月、静かな波の音のするその浜辺につうが舞い降りたとしか思えない程に感動し、これはロマンかもしれないが鶴女房が確かにいた事を信じたい!

サインは前もっていただけない事は聞いていましたが、祈る気持ちで記念誌にお願いした。木下さんが筆を手にしてくれた「夕鶴碑除幕の日に」と、そして安英さんにそっと筆を手渡してくれた。

さっこりのヒストリーは、原作の中つうに出逢ったその事にあるのかも知れない・・・。


夕鶴の碑 ◆民話「鶴女房」と戯曲「夕鶴」 H12.08.17更新

「夕鶴」は 山本安英さんが一九八四年七月二十五日 一〇〇〇回公演を達成し 初演以来未だに大入りで続演している / 一九八六年 木下順二

佐渡の海府に北片辺という村がある。そこは海の村であり、風の村であり、磯の香ただよう村である。その北片辺一帯は民話の里とも呼ばれ、木下順二氏が1949年に著表した「夕鶴」の原話「鶴女房」の里である。

夕鶴は時代と共に歩み続け1984年には、一千回講演という偉業を達成。その舞台の主役を演じたのが名優「山本安英」さんだった。

「夕鶴」という命名について山本さんは、「題名を二人で決めたと木下さんはいっておられますが、その“夕鶴”という言葉を提案されたのは、むろん木下さんで、そしてもちろん私は賛成しました。『夕鶴』というのは全く木下さんの創造語で、いわば新しい日本語が、この日一つ生まれた訳です。」

「“夕”という文字、ト書きにもある“夕焼”という言葉は、明日を、そして未来を暗示するものだ。」と木下さんは言われました。単に夕焼けを淋し気に飛んで行く鶴のイメージだけを持たれては困るという意味です。

テーマは大ざっぱに言えば、精神と物質、そして男女の愛情という単純な、しかし、いくらでも深められるものだと言えますが、あの若かった木下さんがどうしてこうも永遠に耐え得るもの、掘っても掘りきれない作品を書かれたのか。改めて不思議な気さえします。「そのもの(材料)がたまたま佐渡のものであったこと、佐渡は世阿弥や日蓮上人の関係で私は深い感心を持っているのですが、そこにも何か深いご縁を感じます。」と述べている。

木下氏は「夕鶴」は民話劇に、近代劇的な手法を加えて書いた戯曲だが、その一巻のもとは民話である。民話の中には、われら日本人祖先が時間をかけて作り出した“動くことのない本質”が含まれている。「夕鶴」が時代と共に歩いて来ることが多少なりとも出来たとすれば、一巻、本質的には、そのもとが民話であったと言うこと、言い換えれば、我々の祖先との合作であったからではないかと考えている。と述べている。

夕鶴、つうの織った布と裂織の素材として生きる布との間には、時空を超えた本質があるように思われてならない。

~夕鶴記念誌より~


木下順二さん
木下順二さん
(1914年8月2日-2006年10月30日) 劇作家、評論家。鶴女房の原作者。
92歳でその生涯を終える。

山本安英さん
山本安英さん
(1914年8月2日-1993年10月20日)
37年間で公演1037回、主役のつうを演じる。86歳でその生涯を終える。



朱鷺誕生

東京表参道/新潟ネスパス館にて展示
平成8年8月8日誕生の作品
  • 平成8年8月8日誕生の作品は、佐渡の朱鷺の仲間です。
  • いつの日か大空に舞うその日を夢見てイメージしたさっこりHOUSEオリジナル小物入れ。
    (東京表参道/新潟ネスパス館にて展示)

ときのいる島SADO